メガネを外したその先に
半ば強引に外したメガネを先生へ差し出すと、先生はそのまま静かにメガネを仕舞った。


「よし、いこ」


私服姿の先生の袖を引く。

それを振り解かない先生に、いつもとは違うもどかしい距離感を感じる。


「先生は、何の動物が好き?」


園内のマップを見つめながら先生に尋ねると、先生が少しだけ返事に迷う。


「…ライオン?」

「メガネザルじゃなくて?」
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