メガネを外したその先に
「少し校内回ってこようかな。またね、先生!」


喋るだけ喋り尽くしていった彼女の背中を見送り、俺も見回りを兼ねて校内を歩く。


普段の何倍もごった返す廊下と、引っ切りなしに響く生徒たちの声。

イベント時の生徒たちのエネルギーは凄まじく、それがやたら眩しくも感じる。


気付けば、無意識に来ていた屋上へ続く階段の前。

誰もいない空間に物足りなさを覚えながら、静かに階段に腰を下ろす。


“サボりじゃなく休憩だ”と、誰に聞かれた訳でもないけれど自分の中で言い訳を述べる。
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