メガネを外したその先に
本当は、俺が貰うはずだったものだ。

そう溢しそうになった言葉を、静かに飲み込む。


二人は、一度付き合って別れている。

だから、今更また何かあるはずがない。


そう思う一方で、世の中にはよりを戻すカップルもありふれていることを考えると可能性はゼロではない。


「元気出ますよね、好きな子の手作りって」


風間の言葉に、頭を殴られたような衝撃を受ける。


「明日の試験も頑張れそうです」

「よかったな、明日も頑張れよ」
< 162 / 213 >

この作品をシェア

pagetop