メガネを外したその先に
glasses13
【龍弥side】
“待っててね、二十歳になったら会いに行くから”
長谷川が卒業して、二年目の夏の終わり。
長谷川の誕生日が近付いているせいか、最近やたらと同じ言葉ばかり思い出す。
『土日だといつ空いてる?』
「…9月7日」
『了解、調整しとくわ』
唯一の友人である慶から、ずっと職場の後輩を紹介したいと言われていた。
一向に姿を見せない長谷川が卒業式で俺に向けた言葉を覚えているとも思えず、偶然にも土曜日だった長谷川の誕生日を敢えて指定した俺は、未だに長谷川の存在に囚われ続けている。
“待っててね、二十歳になったら会いに行くから”
長谷川が卒業して、二年目の夏の終わり。
長谷川の誕生日が近付いているせいか、最近やたらと同じ言葉ばかり思い出す。
『土日だといつ空いてる?』
「…9月7日」
『了解、調整しとくわ』
唯一の友人である慶から、ずっと職場の後輩を紹介したいと言われていた。
一向に姿を見せない長谷川が卒業式で俺に向けた言葉を覚えているとも思えず、偶然にも土曜日だった長谷川の誕生日を敢えて指定した俺は、未だに長谷川の存在に囚われ続けている。