メガネを外したその先に
駅近くにあったカフェに入り、レジの上に掲げられているメニューを見上げる。


「何飲みます?」

「コーヒーにします。龍弥さんは?」

「俺もコーヒーで」

「ブラック派ですか?」

「ブラック派です」

「私も最近ブラックで飲むようになったんですよ」


他愛もない会話を交わしながらレジに並ぶ。


「お待たせしました。お次の方…」


然程待つこともなく回ってきたレジに立つ彼女を見て、一瞬自分の目を疑った。
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