メガネを外したその先に
もう少しだけ、と芽生える欲望を押し殺す。

わざとリップ音を響かせてから解放してやると、真っ赤な顔をした希が息を乱している。


その姿が、あまりに“女”で。

教師と生徒だった頃には決して見ることのなかった姿が、俺の中の“男”を煽る。


「…まだする?」


その先に進みたい気持ち半分、初心な彼女を心配する気持ち半分で尋ねた言葉。

希がフルフルと首を左右に振ってから、そのままギュッと俺の胸の中にしがみついてきた。


「休憩、させて」
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