メガネを外したその先に
呼び方が“先生”に戻っていたが、突っ込まなかった。


「今…」

「うん」

「なんか、ふわってした」


どうやら、彼女自身は先程自分の身体に起きた事象を理解していなかったらしい。


「嫌だった?」


そう尋ねると、希が勢いよく首を左右に振る。


「ううん…気持ち、よかった」


怖いぐらいに俺の心を揺さぶりまくる彼女に、何とかなけなしの理性を振り絞って耐えた。
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