メガネを外したその先に
「これから一つ一つ教えてやる」


希の頬を指先で撫でると、希がふにゃりと笑う。


「恋愛面でも、龍弥は先生だね」


そう言われたけれど、今まで味わったことのないような感情を教えてくれるのは、むしろ希の方だ。


「予習復習しとく」

「予習はしなくていい」

「でも、早く追いつきたい」

「なら、復習に全力尽くせ」


他愛もない会話にも心地良さを覚えている俺は、多分自分で思っているよりも彼女に溺れている。
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