メガネを外したその先に
「先生って、モテそうなのになんで彼女作らないの?理想高いの?」

「そっくりそのまま返すわ」

「それ、私に言う?龍弥先生自身が完璧な男って意味になるよ。」


私の返しに一瞬口を噤んだ龍弥先生。


「よくそういうこと平気で言えるよな」

「だって、全部偽りのない本心だから」


アイスティーを口に含む。

まだ夏の名残で蒸し暑い季節だから、冷たい飲み物が美味しい。

同時に、目の前でホットコーヒーを飲む先生の体感温度はどうなっているんだろうと思った。
< 51 / 213 >

この作品をシェア

pagetop