メガネを外したその先に
教室に入ってきた先輩が、私の机の前に立つ。

少し視線を泳がせた後、私の目を真っ直ぐに見つめてきた先輩と視線が絡む。


放課後の教室で、いつもとは違う空気に包まれる。


「長谷川」


口を開いた先輩に、決して自惚れではなく、次の展開が想像できてしまう。


「好きだ」


シンプルな告白は、風間先輩らしいと思った。


「ありがとうございます」
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