【ご令嬢はいつでもシリーズ5】悪役令嬢の厄落とし! 一年契約の婚約者に妬かれても、節約して推しのライブ予約してあるので早く帰りたい。だめなら胃腸薬ください!


「ほう……? では、お前はまだその記憶がない振りを続けるつもりなのか?」 
「えっと……」

 そ、そうだよねぇ……。記憶喪失なんて言ったところで、エバンはベアトリスが嘘つきの性悪だと思っている。簡単に信じてもらえないよね。

「その、ですから、その記憶を取り戻すためにも、記憶を失った場所、つまり王宮の大階段をもう一度目にできたらと思ったのです」
「……今度は一体どんな悪だくみだ?」
「悪だくみだなんて、そんなつもりはありません」
「お前の言うことなど、誰が信じると思っているんだ」
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