【ご令嬢はいつでもシリーズ5】悪役令嬢の厄落とし! 一年契約の婚約者に妬かれても、節約して推しのライブ予約してあるので早く帰りたい。だめなら胃腸薬ください!
じとっと疑りの目。ちょっと怖いけど、ここで逸らしたらこの先に進めない。
拳を腿の上で握りしめて、その黒く鋭い眼光を見つめ返した。
「ひとつ、婚約中は俺の言うことを聞け」
「はい」
「本当にわかってるか?」
「は、はいっ」
「もうひとつは、今後一切嘘をつくな」
「は、はい……」
「おい、返事が生ぬるいぞ」
「えっ……!」