【ご令嬢はいつでもシリーズ5】悪役令嬢の厄落とし! 一年契約の婚約者に妬かれても、節約して推しのライブ予約してあるので早く帰りたい。だめなら胃腸薬ください!
ヘティがふるふると首を横に振って笑った。
「お嬢様が楽しそうで、私たちも安堵しております。どうぞお気の召すままに」
ど、どうぞといわれちゃうと、逆に恥ずかしくなって歌えないっていうか……。
照れ隠ししながらベアトリスの三冊目の日記帳を手に取った。
「う、ううん! みんな忙しいのに手伝ってもらっちゃってごめんね……! 私も今からちゃんと作業に集中するから!」
「私共はいっこうに構いません」
「ベアトリス様がお過ごしやすいようにするのが務めでございますから」
「それよりも、本当にお嬢様の日記帳を私たちが見てもよろしいのですか?」