天色ガール【修正版】
「閃光の姫なんて、調子乗ってんじゃねーよ!」
「ちょっと顔がいいからって目障りなのよ!」
「姫なんてやめろ! このブサイク!!」
引っ張られて連れて行かれた先は、人けの無い校舎裏だった。
それも普段授業を受けている綺麗な本校舎からかなり離れた場所にある、今は使われていない古くて汚い“旧校舎”の裏側だ。
正面玄関の反対側にある小さなドアから外に出て歩かされた。
後ろには壁。前には騒がしい先輩たち。……逃げ場がない。
「おいっ! 何か言えよ!!」
ガンッ!
怒りで真っ赤な顔のプリン先輩があたしのすぐ横の壁を蹴った。
彼女はあたしに顔を近づけ、目を細める。
「あんた、あたしが誰だか知らねーの?」
初対面でこの自意識過剰セリフ……どこぞの赤髪も言ってたな。
「……もしかして芸能人ってことは、」
「ねーよ!!」
ですよね。聞いてみただけです。