天色ガール【修正版】



「じゃあ綾瀬は、何を根拠にあたしが嘘をついてるって思ったの?」



 できるだけ優しく尋ねると、彼は潤んだ瞳であたしを睨んで。



「それは……お前が“女”だからだ!」


「…………は?」



 予想外の答えを出してきた。



「お、俺は騙されねーからな! 俺らの外面ばっか見て媚びてくる女なんかに!!」



 そう声を荒らげながら、彼は軽蔑を滲ませた表情を向けてくる。


 ……それは違うだろ。



「じゃあ聞くけど。あたしがいつ、みんなに媚びたって言うんだよ」



 いつもより低い声が出たせいか、彼の肩がびくっと跳ねた。それに構わずあたしは続ける。



「たしかに外面だけで判断してくるやつはいると思う。でもさ、だからって“女”を一括りにして考えるのは違うんじゃない?」



 そう返せば、真琴は苦しそうに顔を歪めて「お前に、お前に俺の何がわかんだよっ!」と。


 ……そんなのわかんないよ。


 彼に過去、何があったのかは知らない。それでも────



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