天色ガール【修正版】
「実はあたし、“五閃”のみんなに救われたことがあるんだよね」
あたしの唐突な話に、真琴は眉を顰めた。
──今から約2年前。彼らは目の前が真っ暗だったあたしの大切な支えだった。
「……そんなん、覚えてねぇし」
うん。きっとみんなは知らない。
彼らには救う気なんて無かっただろうから。
「綾瀬は今まで“閃光”のみんなと多くの人を助けてきて、もちろんその中には女だっていたはず」
この辺りは治安が悪くて、薬の売買、恐喝、強姦、集団リンチなど、最低な事件が頻繁に起きている。
そこで正統派と謳われる彼ら“閃光”は、あたし達“天色”と同じで汚いことをする族を潰してきた。
「今まで寄ってきたっていう女達は、本当に媚びしか売ってこなかった? 綾瀬が女だからって全員避けてきただけで、ただ助けられた感謝を伝えにきた子もいたんじゃない?」
何か心当たりがあったのか、真琴は口を噤んで下を向いた。
俯いているから表情はわからない。