天色ガール【修正版】



「す、すごいね。まさにその通りだよ」



 あたしの予想を一気に話すと、想乃が驚きながらも肯定した。


 でも昨日は授業を受けずに帰ったから、その生徒はあたしのことを知らないはずだ。他の族に流されたあたしの情報って何だろ……。



「その生徒、雨貝さんの写真まで撮っていたらしくて、学校の裏掲示板に『閃光に姫が!?』ってコメント付きで載せてきたんだ」



 あたしの疑問に答えるように、想乃が詳しく説明してくれた。


 どうやら写真を掲示板に投稿した生徒は、三年の先輩らしい。三年の教室は理事長室と同じ階にあるから、あたしが理事長室から屋上に上がったところを見られてしまったようだ。



「その投稿は、三年生たちが学校での愚痴を書き込んでるようなスレッドで見つけたんだ。すぐ削除したんだけど、その前に誰かが写真を他校に回しちゃってたみたいで……。本当にごめんね」



 彼に落ち度なんてないのに、心底申し訳なさそうに謝られた。


 今日の自己紹介の時にそんな話題は出てなかったから、まだ一部の三年の間で噂されてるだけなのかもしれない。


 ただ、彼らは関東一を誇る暴走族だ。事実じゃなくても、きっと“姫ができた”なんて重大な情報は近いうちに学校中に広まるだろう。



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