天色ガール【修正版】



『あ、授業中ですが廊下に出てるので安心してください』



 いやそういう問題じゃなくない?



『ていうか、今“アメさんが閃光の姫”って噂で生徒たちが騒いでるんですけど……』


「それは暁のせいだから!」



 姫の噂が立った経緯をコウにも最初から説明すれば、「昨日は屋上に行くのを止めなくてすみません」と。


 暁もコウもなぜかあたしと“五閃”を関わらせたがっている。あたしにその気はないのに……。



「姫の件は断るから大丈夫。それより、今は教室に行かない方がいい?」


『はい。というかまだ騒ぎが収まりそうにないので、今日はもう帰った方がいいです』


「そんなやばい状況なの!?」



 もう帰宅できるのは嬉しいけど、今から明日の登校が怖くなってきた。



『あと、帰りは“裏門”を使ってください。場所は千暁に聞けばわかるので』


「わかった。じゃ、今日はもう帰るね」


『はい。それとあとで車で迎えに行きたいので、住所教えてください』


「え、いいの? 住所は──…」


『──わかりました。仕事が終わったら連絡します!』



 コウに自宅の住所を伝えた後、電話が切れた。


 父さんの家までかなり距離があるし、車で送ってもらえるなんて有難いな。



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