天色ガール【修正版】
「──八永!」
階段を降りてくるあたしに気づき、香がこっちこっち!と手を高く上げている。
彼の近くに行くと、周りの面子たちに『よろしくお願いします!』と元気に頭を下げられた。あたしも同じように返したけど、その顔は引き攣っていたと思う。
あたしを囲む約100人のカラフル頭たち。いろんな意味で圧巻だ。
「てか、みんなタメ口でいいよ」
「そ、そんな! 姫にタメ口なんてできません!」
小柄なピンク頭が即答した。
「いやタメ口でいいって」
先輩っぽい人もちらほらいるし。
すると、ピンク頭の血色の良い顔がだんだん青ざめていく。
「っ、無理です! 総長に殺されます!」
「なんで!?」
そんな深刻な問題じゃないだろ!
「だ、だって……」
今度はなぜか顔を赤くして、彼は何か決心したようにモゴモゴしていた口を開けた。
「ヤエさんって、総長の彼女ですよね?」
「いや違うけど」
彼の問いかけにすかさず否定すれば、ピンク頭は目をパチクリさせた。
まじで何を言い出すんだこのピンク。
「で、でも姫じゃないですか!」
「まぁ、うん。姫だね」
「だったら総長……あ、副総長の彼女とか!」
「それもねーよ」
「えっ、えぇと、じゃあ想乃さんか藍さ、」
「誰の彼女でもないよ」
ピンク頭の言葉を遮ってハッキリ否定する。だから誰の彼女でもないってば!
面子たちはあたしを正式な姫だと思っているようだから、あたしは父さんの時と同じく“仮の姫”になった経緯を簡単に説明した。
余計に姫として受け入れにくくなりそうだけど……その時はその時だ。