天色ガール【修正版】
「──勝手に勘違いしてすみませんでした!!」
話を聞いたピンク頭がバッ!と勢いよく頭を下げる。
族の姫はたいてい幹部以上の彼女だから、あたしも誰かの彼女だと勘違いしたらしい。
ずっと腰を曲げていた彼は「気にしなくていいから!」と何度も言ってやっと頭を上げてくれた。
「仮の姫だけど、これからよろしくね」
もう一度言い直すと、面子たちは『こちらこそ(です)!』とまた元気に返事をしてくれて。
「でも……安心しました。仮とはいえ、姫になったのがヤエさんで」
変わらず敬語のピンク頭は、「学校の女子みたいな“パンダ”は嫌だったんですよね」と意外にも辛辣な言葉を吐いて苦笑した。
確かにあの濃い化粧はパンダみたいだし、上手い表現だな。
「だけどヤエさんは、パンダというよりゴリ……いや、な、何でもないです」
しまった、そんな顔をしてピンク頭は慌てて口を噤む。
「……ゴリ? 今なんて言おうとした?」
「そ、それにヤエさんといる総長たち、すごく楽しそうでしたから!」
あたしの言葉を無視して焦りながらも、「だから姫になってくれてありがとうございます」と彼は深く頭を下げた。
「お前もほんっと輝さん達のこと好きだよなー」
近くにいた和樹がぐしゃぐしゃとピンク頭を掻き回す。
「僕も八永が姫になってくれてよかった!」
放課後の時のようにぎゅっと香が腕に抱きついてくる。
大勢の面子たちに囲まれている中、「お、俺もっスよ!」という太郎の焦った声もどこからか聞こえた。