天色ガール【修正版】



 まさか、そんなことを言われるとは思ってなかった。


 あたしがパンダじゃないから。輝たちと楽しそうにしてたから。それだけの理由で、突然できた姫をすぐに認めるのは難しいはず……なのに。


 “姫になってくれてありがとう”


 そんなの、みんなのことを心から信頼していないと出ない言葉だ。



「……似てるなぁ」



 互いに信頼し合ってる、仲間想いで温かい────あたしの“居場所”に。



「ん? 何か言っ、」


「よし。じゃあみんなの名前覚えるぞー!」



 そう叫んで、いきなり右の拳を突き上げたあたしに香は目を丸くする。



「みんなって……もしかしてここにいる面子たちのこと!?」


「もちろん」


「で、でも今日はほとんど集まってもらったから100人くらいいるよ!?」


「平気平気、あたし覚えるの得意だから!」



 それでも……とまだ何か言いたげな香を片手で制して、「じゃーそこのスキンヘッド君から!」と香の隣にいる人を指名する。


 彼は「お、俺っ?」と戸惑いながらも、



「えぇと、俺の名前は──…」



 100人規模の自己紹介が始まった。



< 89 / 115 >

この作品をシェア

pagetop