『世界一の物語』 ~人生を成功に導くサクセス・ファンタジー~
それでも、何がどうなっているのかよくわからなかったのでぼんやりと海を見つめていると、白いヨットが通り過ぎるのを見て、夢を見る前のことを思い出した。
本を読もうとしていたのだ。
しかし、膝の上に置いていたはずの本は見当たらなかった。
勝手に動くはずもないので周りを見回すと、砂の上に鎮座していた。
拾い上げて表紙に付いた砂を払うと、『大航海時代』というタイトルに見つめられた。〈早く続きを読め〉とでも言っているようだった。
しかし、気だるい寝起きに字を追うことは不可能だった。
シャンパンでも飲むか、
グラスに注いで、ドンペリを喉に流し込んだ。
うまかった。
文句のつけようがないほどうまかったが、この味にも飽きてきていた。
それはドンペリだけでなく、モエシャンもロマネ・コンティもペトリュスもオーパスワンも同じだった。
超一流といわれるシャンパンもワインもすべて飲み慣れて飽きてしまっていた。
フワ~、
シャンパングラスをテーブルに戻すと、大きなあくびが出た。
贅沢することだけでなく、のんびりすることにも飽きていた。
湯水のように金を使っても、何もしないという贅沢に浸っても、面白くもなんともないのだ。
なんかいいことないかな~、
ワクワクすることないかな~、
ドキッとすることないかな~、
しかし、どんなに考えても何も思い浮かばなかった。
なんか疲れてきたし、また眠たくなってきたな~、
呂嗚流はまた大あくびをした。
すると、
カクッ!
えっ?
顎が外れた。
あれっ?
戻らない。
うそっ!
やめてくれ。
なんか、顎の筋肉が強ばって硬くなっている。
ウソだろ……、
もしかしてこのまま戻らないのか?
と思っていると、痛くなってきた。
どんどん痛くなってきた。
痛くて我慢できなくなってきた。
やめてくれ!
泣きそうになったが、世界一カッコいいロックスターが泣くわけにはいかなかった。
落ち着け!
自らを叱咤して、治し方を検索するためにスマホを手に取った。
本を読もうとしていたのだ。
しかし、膝の上に置いていたはずの本は見当たらなかった。
勝手に動くはずもないので周りを見回すと、砂の上に鎮座していた。
拾い上げて表紙に付いた砂を払うと、『大航海時代』というタイトルに見つめられた。〈早く続きを読め〉とでも言っているようだった。
しかし、気だるい寝起きに字を追うことは不可能だった。
シャンパンでも飲むか、
グラスに注いで、ドンペリを喉に流し込んだ。
うまかった。
文句のつけようがないほどうまかったが、この味にも飽きてきていた。
それはドンペリだけでなく、モエシャンもロマネ・コンティもペトリュスもオーパスワンも同じだった。
超一流といわれるシャンパンもワインもすべて飲み慣れて飽きてしまっていた。
フワ~、
シャンパングラスをテーブルに戻すと、大きなあくびが出た。
贅沢することだけでなく、のんびりすることにも飽きていた。
湯水のように金を使っても、何もしないという贅沢に浸っても、面白くもなんともないのだ。
なんかいいことないかな~、
ワクワクすることないかな~、
ドキッとすることないかな~、
しかし、どんなに考えても何も思い浮かばなかった。
なんか疲れてきたし、また眠たくなってきたな~、
呂嗚流はまた大あくびをした。
すると、
カクッ!
えっ?
顎が外れた。
あれっ?
戻らない。
うそっ!
やめてくれ。
なんか、顎の筋肉が強ばって硬くなっている。
ウソだろ……、
もしかしてこのまま戻らないのか?
と思っていると、痛くなってきた。
どんどん痛くなってきた。
痛くて我慢できなくなってきた。
やめてくれ!
泣きそうになったが、世界一カッコいいロックスターが泣くわけにはいかなかった。
落ち着け!
自らを叱咤して、治し方を検索するためにスマホを手に取った。