リベンジ溺愛婚~冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない~


ふと思い出したのは涼成くんが以前言っていた言葉。

変わらざるを得なかったとは、そういう意味だったんだ。

「今の涼成のことも否定はしない、でも俺はどちらかというと子供の頃の涼成の方が人間味があって好きだな。柚葉ちゃんもそう思わない?」

鳴海さんに尋ねられて「そうですね」とうなずく。

「今の話を聞いてようやくわかりました。大人になって再会した涼成くんが私の知っている彼とは変わってしまった理由が」

再会したばかりの頃、言動や考え方がすっかり変わっていた彼に戸惑った。

でも、一緒に暮らすようになってからは根っ子の部分までは変わっていないのだと気が付いた。

だからきっと今ならまだ間に合う。

涼成くんに子供の頃の本来の自分を取り戻してもらいたい。

「私、そろそろ帰ります」

ベンチからすっと立ち上がった。

「鳴海さん。私が知らない涼成くんのことを教えてくださってありがとうございました」

お礼を伝えてから小さく頭を下げた。

鳴海さんもベンチから腰を上げて私と向き合う。

「涼成のことよろしくね」
「はい」

大きくうなずいた私を見て鳴海さんが微笑む。


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