リベンジ溺愛婚~冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない~
「涼成くん。夕食できたけど食べられる?」
平日は涼成くんの帰宅が遅い日が多いのでふたりで夕食を取る機会はあまりない。けれど休日は一緒に夕食を取るようにしていた。
「あと十分で終わる」
扉の向こうから彼の声が聞こえた。
一日中部屋にこもって仕事をしていたからだろうか。その声は少々お疲れ気味だ。
お腹も空いているかもしれない。早く〝大人のお子様ランチ〟を食べてもらいたくて気持ちがそわそわする。
ダイニングテーブルに座って待っていると、しばらくして涼成くんがやって来た。
「お疲れさま。ご飯できてるよ」
向かいの席に腰を下ろした彼がテーブルの上の料理をじっと見つめる。
表情に変化はない。
子供の頃の涼成くんなら笑顔でよろこんでいたけれど、大人になった今の彼の反応としてはまぁこんなものだろう。
特に彼からコメントもなさそうなので自分から料理の説明をした。
「今日は涼成くんの好きなものを揃えたお子様ランチ風にしてみたの。どうかな?」
涼成くんの反応をうかがう。
テーブルの上の料理から私に視線を移した彼が静かに口を開く。
「おいしそうだな」
それだけ言うと「いただきます」といつものように食事を始めた。