リベンジ溺愛婚~冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない~
「好きなものを選んで。フランスで修行経験もあるから、あいつが作るのはどれも美味い」
そう言うと涼成くんは私にメニュー表を手渡した。ふと考えてしまうのは先ほどの涼成くんの言葉。
親の反対を押し切って夢を叶えた友人と、厳しい祖父に逆らえずに家業の跡取りとしての道を選ばざるをえなかった自分を彼はきっと比べているのだろう。
自分にはそんな勇気がなかったと、自嘲的につぶやいた涼成くんの言葉が耳から離れない。
「決まったか?」
「あ、うん。えっと、じゃあこれにしようかな」
軽く食べられるものと飲み物を頼むことにした。
カフェで時間を潰しているうちに少しずつ外が暗くなってきた。
会計は涼成くんが済ませてくれてカフェをあとにする。そのあとはホテルを出て目的の高層ビルに向かった。
チケットを購入してエレベーターに乗り、一気に展望フロアへと上がっていく。
到着すると窓の向こうには横浜の街が広がっていた。
夜景にはまだ時間が早かったかもしれない。けれど、展望フロアを一周した頃には完全に陽が沈み、窓の外の景色はすっかり暗くなっていた。