リベンジ溺愛婚~冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない~
涼成くんに子供の頃の本来の自分を思い出してもらいたい。その気持ちは今も変わらない。
『俺が笑えるのは柚葉が隣にいるからだ』
もしもその言葉が本当なら、私にしか今の彼を笑顔にできない。
「じゃあ俺は先に出るから」
「うん。行ってらっしゃい」
笑顔で彼を見送る。
けれど、涼成くんは私をじっと見つめたまま動こうとしない。
どうしたのだろう。
じっと見つめられて不思議に思い首をかしげた。
「柚葉」
ふと名前を呼ばれる。
その後で涼成くんの手が私の頬にそっと触れた。
思わずぴくんと肩が跳ねる。
涼成くんを見つめ返していると、彼の顔が少しずつ近づいてくるのがわかった。
この流れはもしかして……。
突然のことに驚いて目を大きく開いたまま体が固まる。
鼻同士がくっつきそうな距離まで近づいたとき、思わずぱっと目を閉じた。
しばらくしてから涼成くんの顔が離れていく気配がして、おでこに柔らかいなにかが触れる。
えっ……。
慌てて目を開けた。
すると、涼成くんが私から視線を逸らして背中を向ける。
「行ってくる」
そう言うと彼は玄関に向かった。