リベンジ溺愛婚~冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない~
「これか?」
「うん」
洋書のファンタジー小説だ。全七巻のシリーズで、映画化もされている人気作。
日本語に翻訳された新作が発売されるたびに涼成くんが購入して、私はそれを貸してもらって読んでいた。
私と涼成くんが大好きだった本だ。
「懐かしい。まだ持ってたんだね」
涼成くんから本を受け取り、中身をパラパラとめくる。
「この本だけは捨てられなくてな」
書棚から同じシリーズの別の一冊を手に取った涼成くんが近くにあるベッドに座った。懐かしそうに本をなでる彼の隣に私も腰を下ろす。
「涼成くん、私の初恋相手って知ってる?」
彼の視線が私に向かう。
「知らないな」
そう答えた涼成くんに本の表紙を見せた。それからふふっと小さく笑う。
「ここに出てくる主人公の男の子だよ」
この本を読んでいた当時の私は小学生。魔法を使い、幾度となくピンチをくぐり抜けて仲間を助ける勇敢な主人公がとてもかっこよく思えた。
「ヒロインの女の子もかわいいよね」
主人公たちとともに魔法を使い、自分よりも強い敵と果敢に戦う姿に憧れた。