リベンジ溺愛婚～冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない～

子供の頃に亡くなった母も同じだった。

病気で余命一年と宣告されたものの病状が悪化して一年よりも早く息を引き取った。

もしかして涼成くんも……。

大きな病気を患っていて余命宣告されているのでは？

そう考えただけで恐怖で体が震える。

涼成くんがいなくなるなんて嫌だ。

微妙な関係が続ているけれど今夜はしっかりと涼成くんと話をしよう。そう思い帰宅したけれど、その日涼成くんが家に帰ってくることはなかった。

スマートフォンに彼からメッセージがあり、急きょ海外出張が決まったらしい。一週間ほど不在にすると連絡があった。

体調が悪いのに大丈夫だろうか。

不安を抱えたまま一週間が過ぎた。

帰宅するとダイニングテーブルの上に紙袋が置かれていることに気づく。中には数種類のパンが入っていた。

近くにはメモ用紙もあり、涼成くんの字でメッセージが書かれている。

〝約束のパン。好きなだけ食べて〟

出張から戻ってきたばかりなのに、一緒にサンドイッチを食べに行ったお店のパンを買ってきてくれたようだ。