リベンジ溺愛婚~冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない~
「大丈夫。柚葉ちゃん落ち着いて」
鳴海さんが冷静に言葉を返した。
「涼成だけど、今日出張先から帰国したあとで用事があるからっていったん帰宅したんだ」
ちらっとパンに視線を向ける。用事とはこのパンのことかもしれない。
「そのあとで会社に戻って仕事を続けようとしたんだけど、会議の途中で突然倒れて」
「倒れた⁉」
やっぱり体調が悪いんだ。
「本人は大丈夫だっていうけど念のため病院に連れていった。そうしたら思ったよりも病状が悪いみたいで急きょ入院になって」
「どこの病院ですか?」
鳴海さんから病院の名前を教えてもらうと、以前涼成くんが出てくるのを見かけた総合病院だ。そこならマンションからも近い。
「すぐに行きます」
「あっ、柚葉ちゃん。ちょっと待っ――」
鳴海さんがまだなにか言いかけていたけれど途中で電話を切った。
今は一刻も早く涼成くんのそばに行きたい。
自宅を飛びだして病院まで走って向かう。
やはり涼成くんは余命宣告を受けるほどの病気を患っているのかもしれない。そのせいで倒れてしまったんだ。
どうして教えてくれなかったんだろう。
涼成くんの容体が心配で、不安に押しつぶされそうになる。