リベンジ溺愛婚~冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない~
「無理はするな。体は大事にしろよ」
おじい様が労わるようにぽんぽんと優しく涼成くんの肩をなでる。その表情はいつもの鋭いものではなく、孫を心配する祖父の顔になっていた。
私と同じで涼成くんを心から心配していたのだろう。
おじい様も根っからの厳しい人ではないのかもしれない。
「それだけだ。私は仕事に戻る」
どうやら涼成くんの顔を見るためだけに病室を訪れたらしい。背中を向けたおじい様が病室の扉へと向かって歩いていく。
「ああ、それと……」
ふと呟いたおじい様が足を止めた。こちらを振り返る。
「約束通り彼女との結婚を認める。病室の外まで聞こえていたぞ。お前たちがお互いの想いを伝え合う声がな。聞いていて恥ずかしくなったわ」
そう言っておじい様がふっと表情を緩めた。
けれどそれは一瞬のことで、すぐにいつもの固い表情に戻ったおじい様の視線が私に向かう。
「それに、彼女のことは子供の頃から人間性を認めている」
おじい様が涼成くんを見て言葉を続ける。