リベンジ溺愛婚~冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない~
「お前を入院中の母親に会わせようとする優しさや、それを実行させる行動力。約束を破ったことで私に叱られるお前を庇う強さや、代わりに私に叱られても動じない肝っ玉の強さ。随分と骨のある女の子だと子供の頃から関心していた」
なんのことを言っているのか初めは理解できなかったけれど、私についておじい様は言っているのだろう。
それに、おそらく悪い意味の言葉ではないはずだ。
「だから、柚葉さんを涼成の妻として認める。彼女と幸せになるんだぞ」
「ありがとうございます」
涼成くんが深く頭を下げる。私も釣られるようにして頭を下げた。
おじい様が病室を後にした。
再び涼成くんとふたりきりになり、私はイスに座り直す。
「私、涼成くんのおじい様に認めてもらえたってこと?」
尋ねると彼がうなずく。
「ああ、そうだな」
そして、優しく微笑んだ。
「柚葉には話していなかったが、実は祖父と約束をしていたんだ」
「約束?」
「その説明をする前に俺が柚葉に結婚を申し込んだ本当の理由について話したい。パンと一緒に添えた手紙は読んだか?」
「うん」
「話があると書いたが、今から話す内容がそれだ」
涼成くんが私を見つめてゆっくりと口を開く。