リベンジ溺愛婚~冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない~
「柚葉に結婚を申し込んだ本当の理由は、不本意な縁談から逃れるためではなく俺が柚葉を愛しているからだ。だから、祖父が決めた縁談をどうしても断りたくて、自分が決めた相手と結婚できなければ会社は継がないと祖父に交換条件を出した。それで祖父は柚葉との結婚を了承せざるをえなかったんだ」
そこまでして私との結婚を推し進めるほど涼成くんに想われていたのだと初めて知り胸が熱くなる。
涼成くんはそんな態度は少しも見せなかったので、不本意な縁談を断るための結婚だと思っていたのに。
「でも、そのとき祖父からも条件を出された。それが、一年以内に俺と柚葉がしっかりと愛のある夫婦であることを祖父が認めなければ離婚させるというものだ」
一年以内……?
「俺にはあと一年しか時間がなかった。それまでに夫婦として認められなければ、せっかく柚葉と結婚できたのに別れさせられてしまう。それだけは阻止したかった」
そこまで聞いてようやく涼成くんが以前呟いていた『俺にはあと一年しかないから』の意味がわかった。
一年というのは余命ではなくて私との結婚を認めてもらうための期間だったのだ。