リベンジ溺愛婚~冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない~
「どうしたの?」
もうここには来ないと思っていたので予想外の人物の来訪に驚く。
すると涼成くんは手に持っている紙袋を渡してきた。
「二日間お世話になった礼だ」
「お礼?」
受け取った紙袋の中に入っている黒色の箱には有名ホテルの名前が書かれている。
「プリンだ。好きだっただろ」
箱だけではわからなかったけれど中身はプリンが入っているらしい。私の子供の頃の好物を涼成くんはまだ覚えていたようだ。
とはいえ、私がよく食べていたのはスーパーに売っているプリンだけれど。
「ありがとう。大切に食べるね」
涼成くんが持ってきたプリンは有名ホテルで販売していることもありおそらく高級品に違いない。そんなものを貰ってしまい恐縮してしまう。
「時間があるなら上がってく?」
涼成くんはスーツを着ているからおそらく仕事終わりでうちに寄ってくれたのだろう。
なんとなくこのまま帰すのも悪い気がして招いてみると、涼成くんは「そうさせてもらう」とうなずいた。
リビングのローテーブルの前に腰を下ろした涼成くんに麦茶を出す。それから私も向かいの席に座った。