リベンジ溺愛婚~冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない~
「チケットはない」
「ないって……。これから買うの?」
「いや、買わない」
チケットがないと飛行機には乗れないのにどういうこと?
状況がのみ込めずに混乱する私を乗せた車はしばらく走り、到着したのは羽田空港。
ここから北海道行きの飛行機に乗るはずだけど、チケットがないのにどうするつもりだろう。
車を停めて秘書の男性と別れたあと涼成くんが向かったのは羽田空港ではなく直結のホテルだ。
搭乗ゲートがあり、涼成くんのあとをついていくと空港内の駐機場に出た。
停まっている飛行機に乗り込んだが、私たち以外に客はいない。内装も普通の飛行機とは異なり、同じ方向にびっしりと座席が並んでいない。
向かい合うように一組の座席が置かれ、その間にはテーブルまである。まるで部屋のようにゆったりと寛げる空間だ。
もしかしてこの飛行機……。
「私たちしか乗らないの?」
「ああ。プライベートジェットだからな」
案内されて座席につくと涼成くんは涼しい顔でそう答えた。