リベンジ溺愛婚~冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない~
「柚葉の願いを叶えるために急いで手配した。今夜の夜景には間に合うだろうから北海道に着くまでゆったりと過ごしてくれ」
おそらく涼成くんは乗り慣れているのだろう。座り心地のよいシートに体を預け、優雅に足を組んだ。
一方の私は飛行機に乗るのは高校の修学旅行以来。久しぶりなうえに豪華な内装のプライベートジェットにそわそわと落ち着かない。
「まさかここまでするなんて……」
ぼそっと呟くと涼成くんが鼻先でふんと笑う。
「不本意な縁談から今すぐ逃れられるなら、大金を出してでも自分にとって有利な相手と結婚する方がマシだ」
なんの感情もこもっていない冷めた言い方に、私の胸がズキンと痛む。
やっぱり涼成くんは変わってしまった。子供の頃はこんな考え方をするような人じゃなかったのに。
目の前に座る涼成くんから目を逸らすように視線を窓の外に向けた。
しばらくしてプライベートジェットが空港から離陸する。
飛行が安定すると夕食が提供され、シャンパンに豪華なフランス料理とまるでレストランのような食事に驚いてしまう。