リベンジ溺愛婚~冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない~


でも、涼成くんは大企業TAKIGAWAホールディングスの御曹司。私のような庶民にとっては無理難題でも、彼にとっては余裕だったのかもしれない。

こんなことならもっと実現不可能なお願いをすればよかった。

そう後悔したところでもう遅い。

涼成くんは約束通り私の願いを叶えたのだから次は私の番だ。

今さらやっぱりなかったことにしようとは言えない。

「わかった。涼成くんの願いも叶えるよ」
「じゃあこれを」

ふと左手を取られ、あっという間に薬指に通されたのは函館山から見える夜景よりもきらきらと輝くダイヤの指輪。

「えっ、これって……」
「婚約指輪だ」

わざわざこんなものまで用意したのだろうか。

「急きょ購入したからサイズは合っていないが、直せるから今度一緒に店に行こう」
「い、いらないよ指輪なんて」
「結婚するんだから必要だろ」

当然のように涼成くんは言うけれど、私たちの結婚は普通とは違う。

彼が不本意な結婚から逃れるための愛のない結婚だ。


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