リベンジ溺愛婚~冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない~


「柚葉ちゃん、あまり気にしないでね。知っているとは思うけど、おじい様は誰にも厳しい人だから」
「そうだよ、柚葉ちゃん。ああは言っていたが、結婚の件は父も了承しているから心配しなくていい」

お母様とお父様が私をフォローしてくれた。

「ありがとうございます」

心配してくれるふたりを安心させるように微笑む。

久しぶりに会った涼成くんのおじい様は相変わらずこわい人だったけれど、あれくらいの嫌味には慣れている。駒井家でもたくさん言われてきたから。

それよりも隣に座る涼成くんの機嫌が悪いのが気になる。おじい様が去ったあとも扉の方をじっと見つめ、険しい表情を浮かべている。

子供の頃から彼がおじい様と親しげに話をしている姿は見たことがなかったが、きっと今も関係があまりよくないのだろう。

「さてと、食事の続きをしましょうか」

お母様が重たい空気を変えるように明るく両手をパンとたたいた。

そのあともしばらく食事を続けて、涼成くんのご両親への結婚報告を終えた。

多岐川家のお屋敷から私のマンションまでは、来たときと同じように涼成くんが車で送ってくれる。


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