リベンジ溺愛婚~冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない~
「心配するな。祖父になにか言われたときはしっかりと守る。柚葉に結婚してほしいと頼んだのは俺だからな」
ふと聞こえた頼もしい言葉に、隣の涼成くんの横顔を見つめながらきょとんとしてしまう。
再会してからの彼の言動を冷たく感じ、優しかった子供の頃とは変わってしまったと思っていたので、私を気遣うような言葉に驚いてしまった。
でも、そういえばさっきも――。
突然大広間に現れたおじい様の突き刺すような視線から私を守るように目の前に立ってくれたっけ……。
「ありがとう」
思いがけず優しい言葉をかけられてつい照れてしまい、涼成くんから静かに視線を逸らした。
「涼成くん、やっぱり変わったよね」
そう呟くとハンドルを握る彼の視線が一瞬だけ私を見たのがわかった。
「前にも同じことを言われたな」
再会して私のマンションに彼が泊まった夜にもその話をした。
あのときは涼成くんの雰囲気が子供の頃と比べて冷たく変わった気がしてそう言ったけれど、他にも彼の変化に気が付いた。
「子供の頃の涼成くんはおじい様をとてもこわがっていて、目を見て話せないでいたけど今日は違ったよね」