リベンジ溺愛婚~冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない~
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二週間後、婚姻届を提出して私と涼成くんは夫婦になった。
同時に約六年間暮らしたマンションを引き払い、涼成くんが暮らす高級タワーマンションに引っ越した。
高層階の四十一階で、間取りは2LDK。広々としたリビングからは東京タワーや東京湾などの名所を一望できる。
一部屋余っているらしくそこを私の部屋として使わせてもらえることになったので寝室は別だ。
以前暮らしていたマンションよりも何倍も生活が快適になり、今のところ不自由なく過ごせている。ひとつだけ不便な点があるとすれば職場から少しだけ遠くなってしまったことくらいだろうか。
そんな話を仕事のお昼休憩中に同僚の美紅に打ち明けると、テーブルに頬杖をついた彼女が不満そうに唇を尖らせる。
「だから辞めればよかったのに。せっかく大企業の御曹司と結婚したんだから、柚葉が仕事をしなくても十分生活できるだけの余裕はあるでしょ」
「うん。まぁ、そうなんだけど」
家賃や光熱費、食費などの生活費はすべて涼成くんが出してくれている。
折半にした方がいいのではと思ったが、結婚を申し込んだのは自分だから生活にかかわるお金はすべて払うと涼成くんは譲らなかった。
だから美紅の言う通り、私は働かなくても生活には困らない。