リベンジ溺愛婚~冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない~
定時で仕事が終わり、午後六時から飲み会は予定通りに始まった。
会場は普段も利用しているお店で、種類豊富なクラフトビールが味わえる。
ビールと相性抜群のソーセージやチーズなどの料理を食べながら、私の結婚を祝福してくれる同僚たちとの飲み会は三時間ほど続いた。
その後は店を移動して二次会も開かれ、午後十時を過ぎた頃にようやくお開きとなった。
会計を終えた美紅と店の外に出ると、夏にしてはひんやりとした風が頬をかすめる。
「雨降りそうだね」
いつにも増して暗い空を見上げながら美紅が言う。
すると、遠くで雷の音が聞こえた。
雨が強く降ってくる前に帰ろうと店の前で解散となり、帰宅の途に着く。
電車に乗る頃には雨がぽつぽつと降り出して、暗い空に稲光が走るのが見えた。
マンションの最寄り駅に着くとゴロゴロとひと際大きな音で雷が鳴り響く。苦手なわけではないが驚いてしまい、歩く足がぴたりと止まった。
「涼成くん大丈夫かな」
仕事を終えて帰宅している頃だろうか。
子供の頃、雷が苦手だった涼成くんのことがふと気になった。
ひとりで家にいてこわくないかな。