リベンジ溺愛婚~冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない~
「そろそろお昼だよね。そっちの準備もこれからするね」
時計を確認すると午前十一時半を過ぎた頃。
夕食の煮豚はこのまま煮込んでおいて昼食の支度にとりかかろうとしたとき、リビングから私のスマートフォンの着信音が聞こえた。
キッチンから離れてリビングに向かう。
ダイニングテーブルに置いてあるスマートフォンを手に取り、画面を確認すると相手は梨央ちゃんだ。
「嫌な予感……」
とっさにそう察し、顔をしかめてしまう。
涼成くんと結婚すれば駒井家とのかかわりが薄くなると思ったのに。
梨央ちゃんからの連絡は頻繁に届いて、雑用を押し付けられる。相変わらず私は梨央ちゃんの使い走りにされていた。
「もしもし」
電話に出たくないが、出ないとさらに面倒なことになるので仕方なく通話に応じる。
「あ、柚葉?」
「うん、どうしたの」
今日はどんな雑用を押し付けられるのだろう。たしかこの前は自宅に日傘を忘れたから外出先まで届けてほしいというものだった。
「あんた今なにしてるの?」
「昼食の支度をしようとしていたところだよ」
「旦那も一緒?」
「えっ。うん」
まだキッチンにいる涼成くんと目が合った。