リベンジ溺愛婚~冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない~
「初めまして。柚葉の夫の多岐川涼成です。今日は呼んでいただいたにもかかわらず参加できず申し訳ありませんでした」
涼成くんがすっと頭を下げる。それを見た婚約者家族がなぜか慌てたように顔を引きつらせた。
「頭を上げてください」
婚約者の父親が焦ったような声を出す。それから顔を上げた涼成くんに恐る恐る尋ねる。
「もしかしてTAKIGAWAホールディングスの多岐川常務でいらっしゃいますか」
「そうですが」
涼成くんが静かにうなずいた。婚約者の父親をしばらく見たあとで「ああ」となにか思い出したように声を上げる。
「どこかで見た顔だと思えば、穂積工業の社長さんですか」
「はい。いつも大変お世話になっております」
婚約者の父親が涼成くんに深々と頭を下げた。
それをぼんやりと見ていた息子である梨央ちゃんの婚約者に父親が一喝する。
「お前もきちんと挨拶をしろ。うちの主要取引先のTAKIGAWAホールディングスのご子息だぞ」
後頭部に手を添えられて婚約者は父親に無理やり頭を下げさせられる。