リベンジ溺愛婚~冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない~


「穂積さんがさっき言っていたが、きみがTAKIGAWAホールディングスの子息というのは本当か?」
「はい。祖父が会長で、父が社長を務めています。将来的には私が継ぐ予定です」
「そうか……」

伯父は脱力したようにつぶやいた。

TAKIGAWAホールディングスは国内外で名の知れた大企業だ。その跡取りが突然現れて伯父は完全に委縮しているように見える。

「聞いてもいいかしら」

言葉が続かない伯父に変わって伯母が普段とは違う余所行きの声で涼成くんに話しかけた。

「柚葉とはどこで知り合ったの?」
「子供の頃です。柚葉さんのお父さんが私の父の秘書をしていた関係で親しくなりました」
「それじゃあ柚葉とはずっと交流があったのね」
「いえ」

涼成くんが頭を振る。

「柚葉さんのお父さんが亡くなられたあとはしばらく会っていませんでした。今年の四月に偶然再会してから再び交流を持つようになり、私からプロポーズをしました」

そう言って涼成くんの視線がすっと伯父に向かう。


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