リベンジ溺愛婚~冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない~
伯父が私に毎月の返済を請求していたのは、お金がほしかったわけではないと思う。
きっと、私の毎月の給料からお金をせびり取ることで嫌がらせをしたかっただけだ。
「お金はしっかりと返済します。その代わり返済後は柚葉と必要以上にかかわりをもたないと約束していただきたい」
怒りを含んだような涼成くんの声が伯父に向けられた。
「それと、梨央さん」
涼成くんの視線が梨央ちゃんに向かう。
彼女は一瞬だけ頬を染めて照れたような表情を見せたが、そんな彼女を涼成くんの氷のように冷えた声が容赦なく突き刺す。
「私の妻に頻繁に連絡をしては雑用のようなことを押し付けるのはやめていただきたい。正直に言って迷惑だ」
「……っ」
梨央ちゃんがぐっと押し黙る。それから悔しそうに表情を歪め、ぷいっとそっぽを向いた。
おそらく彼女のプライドはこのわずかな時間でぼろぼろになったと思う。
本当だったら今日の顔合わせで私に婚約者を自慢したかったのだから。
けれど実際は梨央ちゃんの婚約者よりも私の夫である涼成くんの方が格上。
婚約者とその両親が涼成くんに向かってぺこぺこと頭を下げながら腰の低い態度を取っているのを見ていた梨央ちゃんの表情は見たことがないくらい悔しそうだった。