リベンジ溺愛婚~冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない~
「鳴海さんって涼成くんと同じ歳なんですよね」
「そう。二十九歳」
鳴海さんについては涼成くんから少しだけ話を聞いたことがある。
お互いの母親が姉妹で、ふたりはいとこの関係にあるそうだ。
涼成くんとは一時期家族同然のように過ごしていたけれど、私は鳴海さんのことは知らなかった。
「柚葉ちゃんは涼成の三つ下だよね。妹みたいにかわいい子だって子供の頃から涼成がよく話していたよ」
「そうなんですか?」
「どんな子なんだろうってずっと気になってたけど、涼成がなかなか会わせてくれなくて。大人になってようやく会えた」
どうやら鳴海さんは子供の頃から私の存在だけは知っていたようだ。
「それにしても柚葉ちゃん、涼成の無茶なお願いをよく受け入れたよね。縁談を断りたいから結婚してほしいなんて頼まれても普通は断るのに」
「ですよね。でも、プライベートジェットまで用意されてしまったので」
「あれには俺も驚いた」
鳴海さんが苦笑する。
ちなみに彼は私たちの結婚の経緯を知っている。
北海道に連れていってくれたら結婚してもいいと私が涼成くんに交換条件を出したこともすべて。