リベンジ溺愛婚~冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない~
「涼成のやつそこまでして柚葉ちゃんと結婚したいのかと執念すら感じたからね」
「おじい様の決めた縁談がよっぽど嫌だったんですかね」
だからどうしても私と結婚して、不本意な縁談から逃れたかったのだろう。
「涼成くんとおじい様の関係ってあまりよくないんですか?」
子供の頃はどちらかというと涼成くんはおじい様を恐れているように見えた。
おじい様の前で自分の意見を言っているところなんて見たことなかったのに。
以前、涼成くんの実家に呼ばれたときにおじい様に堂々と話しかけている彼の姿を見て驚いたのを覚えている。
大人になった涼成くんはもうおじい様を恐れていない。
それどころかふたりの関係が以前よりも悪化して、ギスギスしているように感じて気になっていた。
鳴海さんなら涼成くんとおじい様の現在の関係について知っているかもしれない。
「うーん、よくないといえばよくないかな。というか涼成が一方的におじい様を嫌っているというか」
鳴海さんが言葉を選ぶように話を続ける。
「まぁ無理もないと思うんだよね。小さい頃から跡取りとして厳しい教育としつけをされてきたんだから嫌いにもなるって。普通なら逃げ出したくなるようなことも涼成はじっと耐えていたんだからえらいよ」