リベンジ溺愛婚~冷徹御曹司は再会した幼馴染を離さない~
「そうですよね」
鳴海さんの言葉には同感だ。
おじい様の厳しいしつけにじっと耐えていた涼成くんのことを私もよく知っている。
通っていた進学校の成績は常に上位をキープしていないと怒られていたし、放課後や休日は習い事もたくさんさせられていた。
それでも涼成くんは泣き言をいうことなく、勉強も習い事もすべて完璧にこなしていたのを見て、すごいと思うと同時に大丈夫だろうかと心配になったのも覚えている。
「あの頃の涼成がどうしておじい様の厳しい教育としつけに耐えられたと思う?」
ふと尋ねられた。
涼成くんが耐えられた理由?
少し考えてから思いついた答えを口にする。
「涼成くんが我慢強かったからですか?」
忍耐力が人一倍強かったから耐えられたのだろうか。
そう思ったけれど、私の答えを聞いた鳴海さんがふっと小さく笑う。それから私をじっと見つめた。
「俺は柚葉ちゃんが涼成を支えていたんだと思うよ」
「えっ」
私が?
思っていたのと違う答えにきょとんとしてしまった。
「子供の頃、涼成がよく言ってた。勉強に習い事に忙しくて毎日嫌になるけど、柚葉ちゃんと会うと気持ちがリセットされて頑張れるんだって。柚葉ちゃんはあいつに癒しと勇気を与えていたのかもね」