無気力クールな僕ですが、真面目な天然規格外男子に沼りました。
「訂正してください。聡太くんはクズじゃありません。あのSNSは真っ赤な嘘で――モゴッ」

 佐吉が後ろからナギオを羽交締めにして口を塞ぐと、俺たちは苦笑いする女子に苦笑いを返してナギオを引きずっていく。
 教室前まで行って拘束を解いてやるとナギオは息してなかったのか「ぷはぁ!」と慌てて息を吸った。

「何するんですか!」
「いやそっちこそ何してんだよ!」
「間違った情報が出回ってたので訂正しようとしただけです」

 それが何か?とでも言いたげなナギオ。
 俺のために、当たり前のように動いてくれたんだなと思うと少し胸が締め付けられた。
 俺にはこんなにも優しい友人がいる。それだけでいいと思えた。

「いいよ、ほっとこう」
「?なぜですか?」
「ムカつくけど、別に浮気野郎認定されても困んないから。どうせいつか落ち着くし」
「でも……」

 佐吉とナギオがシュンとしている。
 その姿が怒られた子犬たちのようで、妙に癒されてつい口角が上がる。

「大丈夫だよ。お前らがわかってくれてるならそれでいい」

 咄嗟に佐吉がうりゅっと目を潤めてガバァ!と飛びついてきた。

「総太ぁ!!」

 その勢いで俺の後頭部が壁にぶつかる。

「うっ」
「あごめん!」
「おま、力加減」
「ぬははは」


 そんな感じで友情を深めていく俺たちと反対に、その後も悪意のある視線は収まることはなく、ルミの投稿はどんどん拡散されていった――。




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