無気力クールな僕ですが、真面目な天然規格外男子に沼りました。
「……」

 俺はびしょびしょになったカバンを置き、手にあるバケツを振りかぶった。

「!?」

 ブォン!!と豪快なスイングで俺の手から勢いよく放られたバケツは、先ほど俺にバケツを投げた男子の額にガン!と命中する。

「イッ!?」

 額で跳ね返ったバケツは俺の足元に落ち、その男子は痛みに悶えてベランダの下へ引っ込んだ。

「おいおい、ちゃんとキャッチしろよ〜」

 俺は水の滴る前髪をかき上げて鼻で笑った。
 我ながらヒールっぽい顔をしてると思う。

「なにすんだてめぇ!!」

 仲間がやられてベランダの上からキレ散らかしてくる男子たち。
 きっと自分たちの正義を信じてるんだろう。
 俺に水をぶっかけたことに対して何も悪いことと思ってなさそうだ。
 そんな奴等とまともに向き合っても疲れるだけだ。
 でも、ムカつくもんはムカつく。

「そんなに俺と遊びたいの?しょうがないなぁ」

 ここ最近なにかとストレスが溜まっている。
 むしろちょうどいい発散場所ができた。
 思わず口角があがる。

「ちゃんと受け止めてよー」

 そう言って俺は近くに落ちていた小石を拾って振りかぶった。

< 36 / 39 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop