冷血硬派な公安警察の庇護欲が激愛に変わるとき~燃え上がる熱情に抗えない~
子供扱いをやめてくれたとまでは言えないが、彼の小さな変化を感じて欲張った。

「仕事をしていない時はなにしてるの?」

「自宅にいる」

「掃除や洗濯?」

「ああ。あとは着替えとシャワー、睡眠、そのくらいか」

「家にいる時間が少なすぎでしょ。大和さんは根っからの仕事人間だよね。寝てる時間以外はずっと捜査について考えてそう」

それが好きならなにも言うことはないけれど、葵には彩りが足りない人生に感じる。

(恋がしたいと思ったことはないのかな……)

すると、箸を止めた大和に真顔を向けられて戸惑った。

「怒ったの? 仕事中心の生活がダメとは言ってないよ」

「一日中、仕事について考えているわけじゃないと思っていただけだ」

「そうなの? それじゃ、なにを考えてるの?」

かつて大和がこんなにも自分について話してくれたことがあっただろうか。

嬉しくなって質問を重ねると、精悍な目が緩やかに弧を描いた。

「今頃、葵はなにをしているだろうとよく考える。お前の顔が頭から離れなくて、仕事に集中できずに困る時がある」

(そんなに私のことを?)

たちまち胸が高鳴った。

これも兄心からだとわかっているのに、いつか両想いになれる日がくるのではないかと期待してしまう。

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